エドワード・エルリック- 冷たいからだ vol 3


心持ち普段以上にイライラして見えるのも熱のせいか。
「どうやら大丈夫では無いらしいね、1人にはできんな。弟君が帰って来るまで私が側にいてあげるよ。」

水を用意してやると、ようやく小さく返事が返ってきた。
「…アルは暫く帰ってこねぇよ…。…俺、病気じゃねぇし。」

ケンカか。まったく災難だ。…だが調子の悪さは本当らしい…。
「君…。生理かね。」

「誰がせーりじゃ!!この能無し大佐がぁッッ!いくら小さくっても男だ、ゴラァ!!!」

頭に血が昇ったせいかクラクラとベッドに倒れこむ。
うむ。この姿は何げに色気を感じるな。
まぁ、どう色気を感じようと少年は少年。私の範囲外な訳だが。

「…なぁ大佐…俺、欲求不満なのかな。…大佐じゃあるまいし頭ン中そればっか…。」

何だ、その言い種は相談を持ちかけているのか、人をバカにしているのか。

「女性でも紹介して欲しいのかね。15の分際で弁えたまえ。」

仮にも国家錬金術師が女の紹介等…
『自分で捜せ、くそガキ』
少年は枕に顔を埋めて、ふるふると首を振る。

「やっぱ、いい。何でも無い。」

元気のない曇った声。何だ?何が言いたい。

「どうした。鋼の、言いたいことが有るのなら口にしなければ判らないぞ」

ベッドの端に座り、女を口説くように声をかけてやる。
暫くすると、うっすら瞳を潤ませ頬を染めた少年が少し顔を上げた。
『まずい』百戦錬磨の恋愛経験を持つ私の心が危険信号を発した。

「……俺…あ…後ろじゃないと………。やっぱ、いいっっっ」

シーツを深く被り私の視線から逃げようとする。

「出てってよ大佐!もう用なんかないだろ!!」

これはやはり。総合的に考えてもそうだろう。
まずい。彼が女性ならば、まるで問題のない行動に及べるのだが、
如何せん、男は守備範囲外だ。彼の言う通り早くこの場を去らなければ…!!
…?!制服の端を引っ張る小さな手。

「…大佐は…何もしなくていいから…身体、だけ貸して?」

今にも泣き出しそうな、初めて見る少年の顔に…私はどうかしてしまったんだ…。

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